2012年10月26日金曜日

DB/DVD: Drive (2011)


 年に2、3本は重い作品に出会う。これもその一本であるが、描き方が通常の重さとは異なる部類もの。意外性が前面に出た。
 まずは、まるでかつての日本映画のような間合いがあった。いったい何を見る側に求めているのか、或は考えさせるのか、凝視するだけでは片付かない何かがある間合いである。その間合いとおどろおどろしい音楽により、息を呑むのシリアスな展開かと思わせるのだが、実は「Kill Bill」のようなサスペンスの隙間にあるフェイクも垣間みえたりするし、対決の場面においても、意外なほどに無防備だったりするストレートさが異空間を作っていたりする。とどめはエレベータ・シーンのようなキスとバイオレンスのギャップ、全体的なライティングのあて方、シーンとシーンの連続性をあえて絶つかのごとき潔い場面転換など、興味のベクトルは多彩に広がる。単純にバイオレンスとかサスペンスとかカーアクションでは片付けられない作品になっていた。

 途中では女の亭主との厄介な問題がおこることを期待していたが。。。この辺でも普通と違いなにかがあった。