2012年3月21日水曜日

Movie: The Iron Lady (2011)


税をはじめ諸問題を抱えていた英国において、当時パンク、ニューウェイブの波とともにマーガレット・サッチャーはとても有名な人物として記憶に残った。

  この作品はタイムラインを輪切りにしてアルバムのように一目で見れるようにした演出。

 今の経済危機を乗り切るヒントを提示しているかのように、逆境に負けない、燃え尽きるまで戦う姿勢を現実の歴史ドラマとして首相だった約10年ではあるが激動の時代を描くには十分過ぎる人物だけに、何か違和感のある冒頭の場面とか、たまに訪れるふわふわタイムな場面が裏表の差を取り払う目的だったのかもしれない。だが、そういう目で見たとしても、いまひとつ歴史的な人物像が見えてこなかった。

 確かに不景気と暴動、IRA関連のテロ事件、フォークランド紛争など80年代におこった英国の事件を取り上げつつマギー・サッチャーという人物像の直面してきた雰囲気作りをしているのだが、いずれも「現実と回顧と幻影の狭間」のファンタジーに似た作風のせいか、結果、「ひとりの女性議員」止まりの描き方に思えた。

 やはり本音を言えばこの映画はMeryl Streepの演技を見る映画であって、決してストーリーに感動する映画ではないのだろう。