散漫な映画という印象。
前半で現代のありそうな軽めな目線で広まる犯罪の展開とネット民の反応を効果として利用した演出。いつだかあった証言を組み合わせた手法などを含めると前半に厚みを持ってきている感があった。だが、後半の検証と裏ストーリーになると何となく狭いフィールドに押しやられてしまい、例にとれば「砂の器」の悪い部分が出たような雰囲気になる。
ネット社会と犯罪を誇大解釈したようなところや、重大犯罪の動機の軽さ的な扱いは確かに今風と思えるが、そもそも人間ひとりひとりの存在が薄すぎるため最後はどうでもいい気持ちを持って終幕を迎えることになる。


