2010年7月13日火曜日

Movie: The Road (2009)


I intend to have understood and look, but there are many parts which I don't understand. I wonder that I have to choose self-determination even if my body will be eaten.

 「The Book of Eli」と安直に比較すべきでは無いと思うのだが、人類の危機的状況で悪が蔓延る構図では一致している中で、「The Book of Eli」の側に宗教色がありつつも、実は「The Road」のほうは生存のために食人行為に至る点では、ある意味で宗教の存在を問うに相応しいと思う。

 序盤から不気味な場面が映される。ぶら下がった人の足を子供は自然に目を向ける。すでにこの時点で経験値が積まれていることがわかる。だが、何の経験値なのか背景を想定するにはあまりにも情報が乏しい。自然が人を滅亡にまで追い込む感じは半分以上が鑑賞する側の想像の域だ。北の寒さを逃れるために南に向かう。「Midnight Cowboy」のようにある種の拘りを持っていたわけではない。何か大きなものを棚に上げられたまま極限の親子の姿が延々と映し出される。これから先の姿も想像がつかない。南に何があるかもわからない。個々の場面だけに着目すれば「The Book of Eli」のハイテク感が無い分、考えさせられるものはあるのだが...。

 襲われるよりも自らの死を選ぶ。男は自分の息子にも銃口を向ける。この流れ、多くの賛否を呼びそうだ。それは戦時中の日本人の姿のようでもある。映画の内容とは別に、絶望しか見えなくなった極限における人の姿には共通点があるのかもしれない。

SHARE