不思議である。なぜこの手の映画を地方の(家族連れも多く来る)モールにある複合シアターで上映したのか。この手とは例えば「L'Empire Des Sens」「9½ Weeks」のような映画のことである。自分は前情報なしにタイトルだけで鑑賞したのだが、赤い部屋までは普通の恋愛映画と思っていた。そう、赤い部屋と言えば「Twim Peaks」を思い出すが、なるほど理屈の偏った点では共通点があるかもしれない。
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ただ今の日本ではさほど驚く内容でもない。この手は深夜アニメにあってもおかしく無い系統のものだからである。極論を正論として押し通す感じは、突飛を基調とする深夜アニメの得意とするところだろう。それでもこの映画の男Christianの間歇泉のような性格は、9割の人間は敬遠したくなる筈。ところが相手の女Anastasiaが残りの1割側に居たため、終盤まで異様な男女関係を眺めさせられてしまう。ただ、最後だけは、その潔さが「怠い」流れを堰き止めた感じだ。
”welcome to my world”。Christianのセリフである。要は片側の世界観を闇に隠したような、タイトル意味も踏まえたHENTAI映画を印象づけるような言葉なのだが、女優の表情などからはHENTAI映画とレッテルを貼ってしまうには惜しいものがある気がする。事実、最初はTracy Hydeに人物像を被せたくらいだから。