2015年10月6日火曜日

Movie: Adieu l'ami (1968)


   劇場で古い映画を「今」鑑賞することについて、最近、色々な価値を見出している。一つ目は「時代の違いと考え方の違い」で、二つ目は「何がこの映画の魅力だったのか」。三つ目は「昔へのタイムスリップ」である。
   「Farewell Friend(邦題:さらば友よ)」は、実は初見である。かつてロードショウ誌の人気投票で常に上位にいたアラン・ドロン(Alain Delon)とチャールズ・ブロンソン(Charles Bronson)の映画であることはもちろん知っていたが、残念なことにテレビでさえも見る機会がなかった。今回この映画を見るに当たり、名作という肩書きよりも、二大スター共演映画という肩書きだけを信じきって臨むのが正しいと思った。実際、自分のような立ち位置である限り、そういう見方になってしまうに違いない。
    先に提示した「時代の違いと考え方の違い」において、特に白か黒か的なコントラストが強く押し出され、物語の設定の不鮮明さを凌駕するほどの映し方は面白い。今の映画作りとは明らかに違う。更には演劇的な手法で目立たせるテクニックは、この時代背景だからこそ生きるのであろう。次の「何がこの映画の魅力だったのか」を問われれば、やっぱり二大スターの魅力を押し出す映画だった…という一言だった。
    自分にとって、一番感傷的だったのは「昔へのタイムスリップ」感。かつて、明大前や池袋、新宿のミニシアターで鑑賞し終えたときと同じ雰囲気が自然と再現されたのであった。

   これを見た後、「シンジケート(The Stone Killer)」や「スコルピオ(Scorpio)」をまた見たくなった。