2015年10月12日月曜日

Movie: Fathers and Daughters (2015)


 邦題では「パパが遺した物語」となるこの映画。小説家の父の遺作の存在が娘に如何に影響するか...のように思わせるタイトル。だが、原題から推測するに20年以上を超えて、昔と今の父娘各々の異なる面や共通の面に焦点を当てつつ、それでも変わらないものを感じ取る映画に思えた。確かに邦題のように小説が父と娘を繋げる役割になっているのだろうが、映画の特徴としては、恋人との間の葛藤を経てパパから自立する娘的な色が強い感じがする。
   「アメリカは全てカネ」Jakeのこういった表現は、本作の背景となるコアの部分が認識できる。色んな意味で生活レベルにおける差別感が、登場人物達の方向性を歪ませた空気を作り出し、命にかかわりそうな気持ち悪さまで感じられた。
 全体をとおして携帯電話やパソコンがほとんど出てこない映画も珍しいし、80年代のニューヨークの雰囲気もよかった。