
今年はThe Riteという作品も見たが、Mikael Hafstrom作品は、複雑なテーマにして内容が分かりやすく展開してくれているので脳内で袋小路に入ることは皆無。
今回のShanghaiも、太平洋戦争開戦の裏話にも通じる題材が取り上げられているところが面白いし、主役のPaulよりもGong Liの演じるAnnaを中心軸として焦点をあわせていれば鑑賞の照準を大きく外すことはない。
しかし全てが良いわけでなく、本当にそういった状況だったのかどうかは別としても、殺し合いがやたら鼻につく点がスリリングな部分を失わせていた。構図的にThe God Fatherに通じるものがあった分、単純比較しても、感情移入のできる展開かどうかの差が大きかった。この辺がHafstrom作品の今後の課題のようにも思える。
日本やドイツがこの映画が中国本土公開から遅れること1年以上もあった点に何か作為的なものを感じるのだが...。