2010年8月23日月曜日

Movie: The Karate Kid (2010)


 アジア圏以外では「The Karate Kid」というタイトルをつけたリメイク作品。オリジナルは1984年のAvildsen監督によるもので、Ralph MacchioとPat Moritaのコンビは印象深かった。自分と同様に一般レヴュワーの多くはオリジナルと比較していた。

 なぜタイトルが「Katate」だったのか?。リメイクということからオリジナルを尊重したのか、Karateのほうがコマーシャルラインに乗り安かったのか...(「KungFu Panda」 というアニメーションがあったことから、このラインは薄い)。いずれにしても、欧米も含め多くはKungFu Kidという風に捉えている。

 ただ、空手にしてもカンフーにしても、武術の基本「気」という部分ではつながっているめ、全く別物と呆れるまでには至らない。箸でハエを捉えるエピソード。足を執拗に攻撃するところなどは、オリジナルを曲げないという姿勢がある。一方で、かつての「ワックスオン、ワックスオフ」を「ジャケットオン、ジャケットオフ」としたり鶴のようなポーズで、コブラの動きを悟る部分では、中国舞台という意味での新たなる世界観を出そうという感じが伝わる。

 しかし、全体を通してみるとオリジナルで受けた「感動」の「か」の字も出て来ない。これはまずキャラクターのパーソナリティ差によるところが大きい。一番大きいのは、オリジナルがアメリカ舞台の中で日本の空手から「心」を学んでいく感じがよかったのだが、今回の中国版、主人公が何かを学びとって成長している姿には映らない。逆に、これで勝てたら「カンフーとはそんなものか?」と誤解を受けてしまいそうな内容になっている。それにどこかで「燃えよドラゴン」風を意識した「寄り道」も感じてしまうし...。

 残念ながら、この作品は単純にオリジナルの価値を浮き彫りにする役目だけのために作られた...と言える。


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