2009年8月27日木曜日

Movie: Hachi (2009)


Oh my gosh, water came out of my eyes. If you show tears too, the earth is still in reliance on.

 冒頭、この映画に疑を持って見ている自分が居た。子供の語るヒーローについての場面もギクシャクした展開の中にあった。前途多難な感触が頭に植え付けられながらも暫くはスクリーンを大人しく見つめる。ところで、この映画、残念ながら日本語吹き替え版で観てしまった(実は付近のシネコンプレックスは日本語吹き替えだけである。だからいつもながらスタッフの伝えたい部分が伝わって来ない部分で欲求不満は残る)。キャストの声も実イメージとのギャップがある感じ。それはまるでダンジョンの中の敵の多さに躊躇している戦士の気分だった。Hachiが登場するまでは...。

 鑑賞していると、この映画、思った以上に丁寧に作られていた。まず、なによりも犬の演技にココロが奪われる。もちろんRichard Geretとのシンクロ度もよい感じに映る。脚本で良かった点をあげれば、Hachiが単純に待つだけの犬ではない描写として使われたボールを咥えて駅に行く場面。メリハリのある効果となって印象に残った場面だ。Hachiは余り吠えない犬だが、そういう中でその表現を巧く映像に捉えた監督の手法は実に評価できる。

 映画の後で僅かの涙も見せない人が多く居るならば、そんな今を生きる「俺達に明日は無い」。