2010年3月18日木曜日

Movie: The Hurt Locker (2008)


It's just like theater acts. Why does critic interest reality-style fakes?

 評論家筋からは評価の高い作品となっているが、「Avatar」と単純に比較するならば、間違えなく「Avatar」のほうに軍配を上げる。アカデミー賞作品賞の理由が今回はまったくわからない。 この映画、イラク駐留の米爆弾処理部隊という異質にして興味をそそるテーマではある。場面設定よし、前評判よし。自分の評価メーターはいつでも右の方に振り切る準備はできた。ただしもしこの映画が「Jarhead」にも精通する「苦悩」の部分を観客の胸に届けてくれたなら...の話だ。

 怪しいと思い始めたのは、爆弾処理において誰かの携帯電話操作で誤爆するような仕掛けを見たときからだ。このシーンより現実云々を語る以前に、戯曲的な色合いが強調されているようで、なにかイラク戦争の実態に混ぜ物がなされて気分になってしまった。割り切れればスムーズに見れたのだろうが、どうにも割り切れない感が最後まで残る。

 とどめは、最後あたりでJamesが(離婚したがまだ居座っているとされる)彼女に戦場を語る場面。更にはラスト。いったいどこまでアメリカ人の馬鹿さ加減を誇張したいのか。途中から自分が信じていたものが次第にズレていく感覚を覚えるJamesにフォーカスがあたっていただけに、この辺でも肩透かしをくらった。

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